北海道石油ガス株式会社の「お知らせ」をご紹介しております。
皆さんは、日常的に使用しているLPガスが一体どこから運ばれてきているかご存知ですか?
日本は原油を輸入して国内製油所でLPガスを生成する割合が25%、残りの75%は生成済みのLPガスを直接大型ガスタンカー船で、海外より国内に輸入してます。
では、このLPガスはどこの国から輸入しているのか??と聞かれると、大半の方は中東各国をイメージするのではないでしょうか。
原油国のサウジアラビアやUAE、カタールなどといった国々ですよね。
確かに今まで日本は、国内LPガス輸入の90%以上を中東に頼っておりました。
しかしその割合は、2016年から急激に下がり始め、今や中東からの輸入は、わずか40%にまで下がってきているんです。では現在、輸入数量NO.1は、一体どこの国なのか??
それは、かつて1%程度だった「アメリカ」となっているんです。
シェール由来のLPガス輸入数量が今や国内60%を占めており、もうすぐ70%を超えるとの事です。
元々アメリカからのシェール由来のガスの輸入はありましたが、中東には輸入数量では到底及びませんでした。
何故ここまでアメリカからの輸入数量が伸びてるのかといいますと、最大の要因に、今までアメリカからガスを輸入する際、VLGCと呼ばれるガスタンカー船で運んでいましたが、このタンカーの幅が39m。航海で最も重要なパナマ運河の幅が32m。タンカーの幅がパナマ運河の幅をオーバーしているため、通る事が出来なかったんです。
その為、わざわざアフリカの喜望峰を経由し、約44日という日数をかけてアメリカから日本に輸入されておりました。
ところが、2016年パナマ運河の拡張工事が完了し、運河の幅が32,31mから49mへと大幅に拡張されました。
これにより、VLGCタンカー船は、パナマ運河を楽々通過出来るようになり、太平洋を渡ると航海日数は、30日にまで短縮され、今までより2週間早く日本に到着する事が出来るようになったのです。
そうして、日本や韓国、中国といった北東アジアに莫大な需要が生まれ、一気に中東を追い抜き、今や一国としては、アメリカが世界最大規模のLPガス輸出国となっているという訳です。
一つの事がきっかけでここまで世界の縮図が変わるんですね。
世界のLPガス生産量は、2億9000万トン。
そのうち5700万トンが日本以外のアジアへ。
日本には、1100万トン輸入されています。
世界は今後、中国とインドを中心にLPガスの需要は増え続けます。
ベトナムやインドネシアは国の施策として、環境にあまり良くない灯油エネルギーはもうやめて、クリーンで安全なLPガスを使用しようと方針転換を掲げています。
日本で一般的に都市ガスと呼ばれるLNGがありますが、これはカロリーが低いのが難点であります。
中国では、これにプロパンやブタンを混ぜてカロリーを上げ、質量販売している工場もあるそうです。
簡単に言うと、都市ガスにプロパンガスを混ぜて、販売してるんです。
日本ではなかなか考えられません。
こういったアジア各国の話を聞くと、日本は先端を行ってるようで、実は遅れてる部分もあるなと感じざるを得ません。(多少気候の違いはありますが)もちろん北海道電力が液化天然ガスの販売を開始したり、新しい動きもあります。
古き良き物と、新しき良き物の融合こそがこれからの発展に必要だと思いますので、今後とも明確な目標を掲げて社員一丸となって頑張っていきたいと思います。
LPガスはミドル電源として期待出来る分散型エネルギーの代表格です。充分今後も需要があるエネルギー源である事は間違いありません。
新入社員が増える時期ですので、知識を少しでも吸収していただければと思い、書かせていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
2019-03-07
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